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2021 年度 実績報告書

細胞質内分子流動に関わる内膜微小揺動の発生機序とその生理作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07311
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

和田 郁夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40182969)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード小胞体 / ゆらぎ / 蛍光相関解析 / 分泌
研究実績の概要

1.小胞体を高速撮影した画像の統計処理によって、新たにロバストで正確な定量法を開発し、小胞体がほぼ全域において25Hz程度の方向性を欠いた動きを持つことを示した。2.小胞体を高輝度蛍光タンパクで標識した細胞において、膜を透過性にする処理によって得られる細胞質を欠損したsemipermealizedな状態で揺らぎを再現する系を構築した。このような揺らぎの再構成系を用いる事で、この動きは膜成分と、ATPあるいはNADPHのいずれかだけで発生することを見出した。3.この現象は小胞体を細胞質側から抗体でコートすると完全に停止することから、小胞体において揺らぎが観測されないドメインでは、蛋白性コートが膜の細胞質側に付加されていることが予測された。4.本現象は、グルタチオンペルオキシダーゼ様の活性を持つことが知られているebselenによってμMレベルで特異的に停止されることがわかった。5.本現象は、蛍光相関解析法(FCS)で計測される見かけの蛋白質拡散を10%程度遅らせることが示された。6.分泌系カーゴ成熟化との関連を調べるために検討した単一光子ヒストグラム解析(PCH)を用いる事で、カーゴ構造形成因子のオリゴマー状態が他のタンパクにより制御を受けることを示した。7.産生量の多いカーゴとして細胞内輸送が困難な巨大タンパクであるコラーゲンファミリーに注目して、その小胞体からの輸送過程の精密な解析を共同研究により進めた。8.モデル培養細胞だけでなく、個体レベルでの解析も行ったところ、体細胞だけでなく、卵子においても小胞体の揺らぎは発生していることを確認し、受精に関わる新たな因子と現象を発見した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ER-to-Golgi trafficking of procollagen III via conventional vesicular and tubular carriers.2022

    • 著者名/発表者名
      Hirata Y, Matsui Y, Wada I, Hosokawa N
    • 雑誌名

      Molecular biology of the cell

      巻: 33 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1091/mbc.E21-07-0372

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Deletion of the initial methionine codon of the Tmem95 gene causes subfertility, but not complete infertility, in male mice.2022

    • 著者名/発表者名
      Inoue N, Wada I
    • 雑誌名

      Biology of reproduction

      巻: 106 ページ: 378-381

    • DOI

      10.1093/biolre/ioab246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IZUMO family member 3, IZUMO3, is involved in male fertility through the acrosome formation.2021

    • 著者名/発表者名
      Inoue N, Satouh Y, Wada I
    • 雑誌名

      Molecular reproduction and development

      巻: 88 ページ: 479-481

    • DOI

      10.1002/mrd.23520

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Phosphorylation of human phospholipase A1 DDHD1 at newly identified phosphosites affects its subcellular localization.2021

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto N, Nemoto-Sasaki Y, Oka S, Arai S, Wada I, Yamashita A
    • 雑誌名

      The Journal of biological chemistry

      巻: 297 ページ: 100851

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.100851

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolutionarily conserved sperm factors, DCST1 and DCST2, are required for gamete fusion.2021

    • 著者名/発表者名
      Inoue N, Hagihara Y, Wada I
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 10 ページ: e66313

    • DOI

      10.7554/eLife.66313

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Elucidation of the mechanism of substantia nigra astroglial2022

    • 著者名/発表者名
      Masato Ogura, Ikuo Wada
    • 学会等名
      第95回日本薬理学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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