小胞体が示す微小な揺動について生細胞とsemipermeableな細胞を用いて高い時間分解能による定量的解析を行った。揺動は膜成分のATPあるいはNADPHを必要とする反応によって引き起こされ、これには小胞体膜の柔らかさが関係した。内腔での蛋白拡散は、溶液とは異なり広い範囲で変動しないが、微小な構造揺動も同様であり、CLIMP-63を介した微小管との結合による制御が適切な流動性を保持すると考えられた。揺動を起こす分子本体は同定できてないが、抗炎症薬ebselenが揺動を止めることが見つかった。Ebselenはperoxynitriteをトラップするので、本現象の発生との関連性が示唆される。
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