骨格筋の成熟過程は筋再生や筋疾患発症のメカニズムを解明する上で重要な現象である。多核の骨格筋細胞では,その成熟過程において中心に一列に並んだ核(中心核)が細胞膜直下へと移動するが,この周辺核化の仕組みは不明である。我々はN-WASPの周辺核化における役割を明らかにするため,骨格筋成熟過程におけるN-WASPの核外移行の制御機構およびN-WASPと膜変形タンパク質amphiphysin2/BIN1(Amph2) の協調作用による周辺核化の分子機構を調べた。その結果,N-WASP-Amph2軸によるアクチン制御が周辺核となる中心核の移動方向を決めるガイドとして機能する可能性が示唆された。
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