当研究室が発見したMNSFβは凝集性が非常に高いユビキチン様タンパク質で、細胞内で種々の標的タンパク質と共有結合してアポトーシス等を制御する。本研究でMNSFβを脱凝集化する分子シャペロンHSPA8を見出した。HSPA8は確かにin vitroでMNSFβを脱凝集することを確認した。HSPA8は核小体ストレスにより、細胞質から核内へ移行することが知られていることから、細胞内MNSFβの局在性を検討した。MNSFβ-GFP融合タンパク質は未刺激状態のヒトHeLa細胞では核内に局在するが、アクチノマイシンDによる核小体ストレスに応じて、細胞質へ移行した。そして、マウスマクロファージ系細胞株Raw264.7を栄養飢餓条件で培養してMNSFβsiRNA処理するとp53発現が増大した。以上より、MNSFβは核小体ストレスを介して細胞増殖を制御することが明らかになった。
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