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2018 年度 実施状況報告書

低分子量G蛋白質R-Rasによるガイダンス因子シグナル統合の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07340
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

生沼 泉  兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (40452297)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード軸索ガイダンス / R-Ras / 細胞骨格 / 神経細胞 / 軸索 / 軸索分枝
研究実績の概要

軸索ガイダンスで普遍的に駆動されているシグナル伝達経路として、アクチン細胞骨格制御因子の活性制御に係わるシグナル伝達経路に着目し、研究を進めた。そのうち、in vitro初代培養系において軸索分枝制御に関わる因子として過去に我々が報告した(MBoC 2012., MBoC 2015)afadinに関して、マウス生体内においても同様の軸索分枝制御を担っているのかを検証した。afadinは様々なガイダンス因子の下流でシグナルハブとして働く低分子量G蛋白質R-Rasの結合因子であり、活性型R-Rasの結合によって細胞膜移行されることで、アクチン細胞骨格のリモデリングを引き起こす。今回、胎生15.5のマウス胎仔に対して、in utero electroporation法を用い、体性感覚野から投射される軸索の形態を生後9日目で観察したところ、軸索分枝に抑制的に働く短いスプライスバリアントのs-afadinの過剰発現や、アクチン結合ドメインを欠いたl-afadinの過剰発現に於いて、軸索分枝の抑制のフェノタイプが観察された。この結果から、afadinは生体内において、軸索分枝の制御因子として機能していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

afadinのin vivoでの軸索分枝調節への寄与を証明することができたため。

今後の研究の推進方策

今後は、afadin以外にも、これまでに我々の研究によってR-Rasの下流で軸索形態制御に働くことがin vitroで明らかになっている分子について、in vivoでの機能を見ていく。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 5件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Dynamic spatiotemporal patterns of alternative splicing of an F-actin scaffold protein, afadin, during murine development2019

    • 著者名/発表者名
      Matsuda T, Namura A, Oinuma I
    • 雑誌名

      Gene

      巻: 689 ページ: 56-68

    • DOI

      doi: 10.1016/j.gene.2018.12.020.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential regional and subcellular localization patterns of afadin splice variants in the mouse central nervous system2018

    • 著者名/発表者名
      Ohama D, Matsuda T, Oinuma I.
    • 雑誌名

      Brain Research

      巻: 1692 ページ: 74-86

    • DOI

      doi: 10.1016/j.brainres.2018.05.004.

    • 査読あり
  • [学会発表] Spatio-temporally regulated alternative splicing of an actin scaffold afadin is necessary for proper cortical layer 2/3 neural circuit formation2018

    • 著者名/発表者名
      大浜大揮、生沼泉
    • 学会等名
      第41回日本神経科学大会(Neuroscience2018)
  • [学会発表] 低分子量Gタンパク質R-Rasがシグナルハブとして指揮する多彩な細胞機能2018

    • 著者名/発表者名
      生沼泉
    • 学会等名
      大阪大学生命科学研究科研究交流会(FBSコロキウム)
    • 招待講演
  • [学会発表] アクチン足場蛋白質afadinはNeuropilin-1と直接結合し、脳梁軸索の軸索間接着を介した束化を制御する2018

    • 著者名/発表者名
      大浜大揮、生沼泉
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] マウス中枢神経系における細胞骨格制御因子afadinの2種類のスプライスバリアントの発現・局在差異の解析2018

    • 著者名/発表者名
      松田孝彦、大浜大揮、生沼泉
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] アクチン足場タンパク質のスプライシングの時空間制御が担う神経回路構築2018

    • 著者名/発表者名
      生沼泉
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 神経発達を担うアクチン足場蛋白質の選択的スプライシングの時空間制御2018

    • 著者名/発表者名
      生沼泉
    • 学会等名
      神経発達・再生研究会(生理学研究所研究会)
    • 招待講演
  • [学会発表] 脳梁軸索回路構築はセントラルドグマのレベルで規定される2018

    • 著者名/発表者名
      生沼泉
    • 学会等名
      大阪大学蛋白質研究所セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] アクチン足場蛋白質 afadin の選択的スプライシングが脳梁軸索の束化を時空間的に制御する2018

    • 著者名/発表者名
      大浜大揮、生沼泉
    • 学会等名
      次世代脳冬のシンポジウム
  • [学会発表] アクチン足場分子の選択的スプライシングの時空間制御が担う脳梁軸索ガイダンスの新概念2018

    • 著者名/発表者名
      生沼泉
    • 学会等名
      次世代脳冬のシンポジウム
    • 招待講演
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/7000008636/

  • [備考] 個人ホームページ

    • URL

      http://homepage1.canvas.ne.jp/izumi/

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公開日: 2019-12-27  

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