悪性黒色腫は、BRAF遺伝子に活性化変異をもつ症例が多く、BRAF阻害剤治療は奏功するが、耐性を得る。本研究では、この耐性に細胞表面糖鎖の変化と、細胞膜外膜リン脂質の変化による細胞接着因子インテグリンシグナルの変化が重要であるか検討した。BRAF阻害剤処理により、インテグリンシグナル関連因子CD63が高度にポリラクトサミン糖鎖修飾を受け、結果として細胞表面に多く出現し、薬剤感受性をあげることを示した。細胞膜内膜に偏在するとされてきた特定の脂質の、黒色腫細胞の外膜への出現を検出し、細胞接着への関与を示唆した。これらの結果は、薬剤耐性悪性黒色腫の治療薬開発の基盤形成に繋がる。
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