本研究では、CRISPRノックアウトスクリーニングを用いて、スフィンゴ糖脂質輸送に影響を及ぼす新規因子の探索を行った。Vero細胞を用いたスクリーニングにおいて、ゴルジ体に局在する複数回膜貫通タンパクSYS1の同定に成功した。SYS1の遺伝子ノックアウトにより、志賀毒素受容体糖脂質Gb3の低下と、グルコシルセラミドの大幅な増加が見られた。またSYS1のノックアウト細胞においてゴルジ体の形態変化、及びトランスゴルジネットワークマーカーのTGN46の局在変化を示した。このことからSYS1はゴルジ体及びトランスゴルジネットワークの輸送に関与することで、糖鎖生合成を制御することを明らかにした。
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