本研究では、重水素化支援中性子散乱法と分析超遠心測定法の組み合わせにより水晶体関連タンパク質であるアルファークリスタリンの構造機能相関を調べた。水晶体内で観測されるアルファークリスタリンヘテロオリゴマーでは二つのサブユニット (aA, aB)の交換速度が異なることを実験的に明らかに出来た。更に、準濃厚環境下におけるサブユニット交換は希薄環境下の交換速度と変わらなかった。分析超遠心測定法から観測された単量体とオリゴマーの解離会合を考慮したモデルにより実験結果の再現に成功した。最終的にそれらの単量体が機能を支配していると結論づけた。
|