赤痢菌はIII型分泌装置・ニードル複合体により宿主細胞へとエフェクター蛋白質を打ち込み宿主の細胞骨格の再構築を伴う貪食を誘導し、それを利用して宿主細胞内に侵入・感染する。 ニードル複合体は膜を貫通する基部体と”針”であるニードル繊維、ニードル繊維の先端にあるチップ複合体に分けられる。興味深いことに、輸送ゲートである基部や宿主細胞と直接接触するチップ複合体ではなく、ニードル繊維構成蛋白質MxiHに毒素分泌パターンが異なる変異株が複数存在する。本研究課題では、細菌の毒素分泌メカニズムの構造生物学的基盤の解明を行うためにクライオ電子顕微鏡を用いて変異体の解析を行った。
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