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2018 年度 実施状況報告書

リソソームアミノ酸輸送体Spns1によるmTORC1およびオートファジー制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K07380
研究機関新潟大学

研究代表者

葛城 美徳  新潟大学, 医歯学系, 助教 (60401759)

研究分担者 永森 收志  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90467572)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードオートファジー / リソソーム / マウス / トランスポーター
研究実績の概要

近年、オートファジーは急速に研究が進んでいるが、その収束過程については未だ不明な点が多い。オートファジーによって生じた自己消化産物は各種トランスポーターを介してオートリソソームから細胞質に供給され、最終的に細胞の生存・維持に寄与する。リソソームに局在する12回膜貫通型MFSトランスポーターであるSpns1は、その輸送基質は未同定ではあるものの、飢餓誘導オートファジー後のmTORC1再活性化に必要であることが報告されており、オートファジーの収 束過程に重要な働きを持つと考えられる。本課題ではSpns1の輸送基質の同定を試み、生体内での機能や病態への関与について解析を進めた。本研究はオートファジー収束過程の理解の一助になると考えられる。 まず、肝臓特異的Spns1ノックアウトマウスを作成したところ、肝臓の肥大が確認され、血液成分の解析から肝臓の炎症が示唆された。この肝臓の電顕像では異常 なリソソーム構造体が認められた。HEK293やMEFにおいて、Spns1はリソソームマーカー(LAMP1やCathepsin)と共局在したことから、Spns1欠損がリソソームな いしオートリソソームの機能不全を引き起こし、肝臓に炎症が起きたことが示唆された。肝臓特異的Spns1ノックアウトマウスの全肝臓ないし肝臓のリソソーム 分画では、Spns1の輸送基質が蓄積している可能性があるため、メタボローム解析等を進めており、一部の代謝産物の蓄積傾向が見出された。この解析で得られたSpns1輸送基質の候補の幾つかについて、Spns1安定発現HEK293株由来の精製Spns1を用いて、in vitroプロテオリポソームアッセイを行った。予備実験として、一部の代謝産物とSons1の 相互作用を確認することができたが、現在輸送能の有無を確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初実験計画のマウスはすでに樹立し、解析を始めており、個体レベルの表現型や細胞レベルの異常もある程度確認できている。in vitro実験系で輸送基質の道程を試みているが、現時点ではまだ同定を終えていない。今後も解析を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

組織特異的Spns1ノックアウトマウスの解析から、いくつかの代謝産物のリソソーム分画への蓄積が確認できたので、Spns1がこれをリソソームから細胞質への輸 送をできるかをin vitroのアッセイ系でひきつづき検証する。輸送基質を同定したのち、その輸送基質の再添加実験でSpns1欠損表現型をレスキューできるか調べる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] USP10 Is a Driver of Ubiquitinated Protein Aggregation and Aggresome Formation to Inhibit Apoptosis2018

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Masahiko、Kitaura Hiroki、Kakita Akiyoshi、Kakihana Taichi、Katsuragi Yoshinori、Nameta Masaaki、Zhang Lu、Iwakura Yuriko、Nawa Hiroyuki、Higuchi Masaya、Komatsu Masaaki、Fujii Masahiro
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 9 ページ: 433~450

    • DOI

      10.1016/j.isci.2018.11.006

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] パーキンソン病において神経病原性蛋白質を不活化する蛋白質を同定

    • URL

      https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/93_index.html

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公開日: 2019-12-27  

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