研究課題
基盤研究(C)
一次繊毛由来細胞外小胞を特異的に濃縮精製する方法を確立し,また一次繊毛由来細胞外小胞を特異的に放出しなくなる培養細胞株を樹立し,一次繊毛由来細胞外小胞の生理機能を検証できる実験系を確立することに成功した.これらの手法を駆使し,実際に一次繊毛由来小胞が標的細胞に取り込まれること,その結果として標的細胞の細胞移動が亢進することを見出すことに成功した.これらの方法論および発見の一部は国際科学雑誌,和文科学雑誌,各種学会において報告された.
細胞生物学
新しい細胞間コミュニケーションツールとして機能する一次繊毛由来細胞外小胞の一側面が明らかになったことは,基礎生命科学の中でも細胞生物学に留まらず古典的な内分泌学にも新しい影響を与えうると思われ学術的意義が期待できる.また,一次繊毛由来細胞外小胞を濃縮精製する方法の確立,一次繊毛由来細胞外小胞の細胞内への取り込みの実証は,その医学・薬学など広い分野における産業利用に向けた基盤になる可能性もあり社会的意義が期待できる.