上皮細胞で、微小管細胞骨格は、細胞の頂端―基底軸に沿って配向する特徴的な編成を示す。この編成は、微小管マイナス端に結合するCAMSAP3タンパク質によって維持されるが、上皮機能への関与は、未だよく分かっていない。本研究におけるCamsap3変異マウスの解析から、上皮微小管編成の不全が、多発性嚢胞腎に似た腎臓の構造異常を引き起こすことが明らかになった。変異マウスでは、近位尿細管の拡張による、嚢胞が観察された。拡張した尿細管の上皮細胞は、引き延ばされるように扁平化し、それにともない、機械刺激に応答する制御因子が活性化されることによって、細胞増殖が亢進するという嚢胞の形成機序が示唆された。
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