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2019 年度 実施状況報告書

単一細胞解析による精子幹細胞システムの可塑性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07424
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

中川 俊徳  基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 助教 (50456894)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード幹細胞 / 精子 / 哺乳類
研究実績の概要

哺乳類の精子幹細胞は「Actual stem cell (ASC)」と「Potential stem cell (PSC)」という二つの機能的に異なる集団から構成される。PSCは定常状態では分化するものの、薬剤投与による障害や移植後の再生でその運命を転換して、ASCへと先祖返りする。この過程におけるPSCに起こる変化、転換に重要な役割をする遺伝子を集積流体回路(fluidigmC1、BiomarkHD)を用いたmultiplex qRT-PCRにて明らかにすることを目的とした。
前年度に選定した候補遺伝子のプライマーセットに加え、再生において重要な役割をする可能性のある遺伝子のプライマーを加えたプライマープールを用いて、実験系の検証を、正常の精巣細胞を用いて検討した。その結果、新たに加えたわずか数種類のプライマーセットにより全体の遺伝子の検出感度が大幅に低下することがわかった。
そこで、高感度のmultiplex qRT-PCRを行うために、プライマーを新たに設計し直し、まずはbulk RNAを用いて遺伝子発現の検出感度を検討し、その後single cell 由来のRNAを用いて検討した。その結果、以前のプライマープールには検出感度は及ばないものの、良好な感度を得ることができた。しかし、以前のプライマープールと比較し、個々の遺伝子の感度が異なり、直接比較することができないことがわかった。そこで再生状態の遺伝子発現がいかに変化しているかを検討するために、再度正常な状態の細胞を用いて、referenceとなる遺伝子発現のmapを再度作成した。ただし、まだ細胞数が少なく、さらに実験を行う必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予想外の実験系の問題(遺伝子の発現を検出する感度が低下した)により、それを克服するために時間を費やした。

今後の研究の推進方策

予想外の実験系の問題により、再度referenceとなる遺伝子発現のmapを作成する必要がある。そこで、正常のマウスを用いて直ちに行う。さらに、薬剤投与し再生過程のマウスを用いて、再生過程におけるmapを作成する。これら二つのmapを用いて、どのように幹細胞集団が変化するか、その状態変化に重要な遺伝子を検討する。

次年度使用額が生じた理由

実験系に予期せぬ問題(検出感度の大幅な低下)が生じ、そのために計画通り進まなかった。予算を問題解決、および該当年度に行うはずであった実験の遂行に当てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Plvap expression revealed that regular division and stochastic state transition coordinate the maintenance of mouse spermatogenic stem cell pool2019

    • 著者名/発表者名
      Toshinori Nakagawa
    • 学会等名
      第17回幹細胞シンポジウム

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公開日: 2021-01-27  

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