窒素は、植物の生長を左右する重要な栄養元素である。窒素に関する研究としては、窒素量の増減に応じた遺伝子発現など、窒素量変化に伴う最終的な応答反応については良く理解されている。その一方で、窒素量の変化を、植物細胞がどの様な機構で感知しているのか、という点については、多くの制御系・実験系が複雑であるなどの理由で解明がなされていない。本研究では、植物が窒素欠乏を受容してから最終的な応答を引き起こす機構の一端を明らかにした。この明らかにされた機構を更に詳しく解明し、その応答反応を人為的に調節することにより、植物の窒素要求量を減らしたり、植物の成長を促進させるなどの応用研究に資することが可能になる。
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