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2020 年度 実施状況報告書

葉緑体 in vitro RNAスプライシング系を用いたスプライシング反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K07441
研究機関名古屋大学

研究代表者

杉浦 昌弘  名古屋大学, 遺伝子実験施設, 名誉教授 (80027044)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードタバコ葉緑体 / イントロン / RNAスプライシング / 2次構造モデル / in vitro系
研究実績の概要

タバコ植物の葉緑体ゲノムは、110余種の遺伝子を持つ。このうち、12種のタンパク質をコードする遺伝子はイントロンを含む。菌類ミトコンドリアのイントロンを基にした分類によれば、これらのイントロンは、グループⅡ型とされている。菌類のグループⅡイントロンの一部は、セルフスプライシングする。しかし、顕花植物の葉緑体のグループⅡ型イントロンはセルフスプライシングしないので、タンパク質因子の関与が考えられる。
タバコ葉緑体のH+-ATPアーゼのサブユニットCF1アルファをコードするatpF遺伝子のイントロン2次構造モデルの作図を行い、エキソン結合部位(EBS1とEBS2)を探索した。
タバコのイントロン構造を基に、ホウレンソウ、エンドウ、イネとシロイヌナズナのatpFイントロンの2次構造もあわせて作図した。イントロンの長さ(単子葉植物のイントロンは100塩基程長い)と配列類似性は異なっていたが、2次構造はよく似ていた。それぞれのイントロンのエキソン結合部位(EBS1とEBS2)を推定した。
タバコ葉緑体のatpFイントロンの推定したEBS1とEBS2につき、変異を導入し、我々が開発したタバコin vitroスプライシング系で調べた。その結果、推定したEBS1が正しいことを示した。EBS2は、スプライシングの効率を高めることを示した。
in vitro系でスプライスされたmRNAを抽出して、それぞれの塩基配列を調べたところ、正しい位置でイントロンが除去され、両エキソンが結合されていることを明らかにした。従って、我々のin vitro系は葉緑体内の反応を正して反映していると考えられる。
また、3’エキソンのガンマー位置の塩基(U)の働きを、変異を導入して調べた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

タバコのatpFイントロンの2次構造モデルを完成させ、EBS1が実験的に正しいこと、およびEBS2が効率を高めることを示した。現在、論文をほぼ完成している。

今後の研究の推進方策

おおむね当初計画どおりに研究を進める。ついで、論文を発表する。

次年度使用額が生じた理由

物品の購入を控えたため。
次年度、消耗品を購入する時に使用する予定。

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公開日: 2021-12-27  

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