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2020 年度 実績報告書

SOG1転写因子を介したDNA損傷応答の選択的・時間的・空間的制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07455
研究機関東北大学

研究代表者

愿山 郁  東北大学, 生命科学研究科, 学術研究員 (10346322)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード植物 / DNA損傷応答 / DNA修復 / 細胞死 / 転写因子 / リン酸化
研究実績の概要

本年度は、シロイヌナズナのDNA損傷応答を統括している転写因子SOG1に存在する5箇所のリン酸化部位SQ(セリン・グルタミン, 350SQ, 356SQ, 372SQ, 430SQ, 436SQ)の各々1箇所をAQ(アラニン・グルタミン)に変えたコンストラクトを作製し、sog1変異体に導入したトランスジェニック体を構築した。これら5種類のSOG1リン酸化変異体を使用し、DNA損傷に応答したリン酸化に対する影響をウエスタンブロットで調べた。その結果、356AQラインはDNA損傷応答によって生じるリン酸化が全く観察されなくなっていた。この結果は、SOG1のリン酸化は356SQが最初にリン酸化され、その後別の部位のリン酸化が生じるということを意味している。430AQ変異体はDNA損傷を与えない条件において生育が悪いことから通常の生育時に、430SQのリン酸化はなんらかの役割を果たしていることが考えられた。次にこれら5種類のリン酸化変異体をゼオシン培地(DNA二重鎖切断誘発剤を含む培地)に移して、根の伸長の応答反応を調べた。野生型はゼオシン培地上で根の伸長を停止させるが、356AQ変異体は、5箇所のリン酸化をすべて潰したラインと同様に、根の伸長を止めなかった。この結果は356SQ部位がリン酸化されないと、他の部位がリン酸化されないという結果と一致していた。さらに356AQ変異体では、5箇所のリン酸化をすべて潰した変異体と同様にターゲットとするBRCA1遺伝子の転写誘導や、根の幹細胞での細胞死の誘発が生じていなかった。以上の結果から、SOG1に存在する5箇所のリン酸化部位は、それぞれ性質が異なり、中でも356SQのリン酸化は、その他のリン酸化のトリガーとなる重要な意味を持つことが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The Maintenance of Genome Integrity in Plants: Novel Challenges in Basic and Applied Research2020

    • 著者名/発表者名
      Alma Balestrazzi, Ayako Sakamoto, Kaoru Okamoto Yoshiyama
    • 雑誌名

      Frontiers in plant science

      巻: 10 ページ: 1-127

    • DOI

      10.3389/fpls.2020.00585

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-12-27   更新日: 2023-03-20  

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