• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

魚類と両生類の比較解析から解き明かすバソプレシン/バソトシンV2受容体の機能進化

研究課題

研究課題/領域番号 17K07468
研究機関富山大学

研究代表者

今野 紀文  富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (50507051)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードバソトシン / V1a受容体 / 鰓 / メダカ
研究実績の概要

最終年度はバソトシン受容体のV1aR1とV1aR2の各ノックアウトメダカを交配して両受容体をダブルノックアウトしたV1aR-dKOメダカの作成とその表現型の解析を行った。両受容体はメダカの鰓に高発現していること、先行研究により鰓でのCl-輸送にバソトシンが作用することが報告されていることから、鰓の機能に対するバソトシン-V1aR系の関与について調べた。野生型メダカ(WT)とV1aR1-dKOメダカの両群の鰓において発現する遺伝子をRNA-seq解析により網羅的に調べ、それらの発現量を両群間で比較することで、V1aR1およびV1aR2の機能喪失によって発現が変動する遺伝子の探索を試みた。RNA-seqによる発現比較解析において、まず、WTメダカでの発現量が高く、V1aR1/V1aR2-dKOメダカでその発現量が1/2以下に低下している15の遺伝子を候補遺伝子として絞り込んだ。さらに定量的real-time PCRによって詳細な発現比較解析を行った結果、予想に反して、浸透圧調節に関連する遺伝子では無く、上皮での免疫機能の調節に働くと考えられているbcl2-like protein 12(BCL2L12)とcapicua transcriptional repressor(CIC)のmRNA発現量がV1aR-dKOメダカで有意に低下していることが示された。哺乳類において、BCL2L12とCICは免疫機能の調節に関与していることが示唆されており、本研究の結果はメダカの鰓上皮での免疫機能の調節にバソトシン-V1aR系が関与している可能性を示唆している。今後は、バソトシンや上記免疫系遺伝子が病原体やストレスに対する免疫応答として発現変化を示すのかや、どの細胞に局在するのかについて詳細に調べる必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Intracerebroventricular administration of sulphated cholecystokinin octapeptide induces anxiety-like behaviour in goldfish.2019

    • 著者名/発表者名
      Sachuriga, Iinuma N, Shibata H, Yoshida D, Konno N, Nakamachi T, Matsuda K
    • 雑誌名

      Journal of Neuroendocrinology

      巻: 31 ページ: e12667

    • DOI

      10.1111/jne.12667.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Expression Patterns of PACAP and PAC1R Genes and Anorexigenic Action of PACAP1 and PACAP2 in Zebrafish.2019

    • 著者名/発表者名
      Nakamachi T, Tanigawa A, Konno N, Shioda S, Matsuda K
    • 雑誌名

      Frontiers in Endocrinology

      巻: 10 ページ: 227

    • DOI

      10.3389/fendo.2019.00227.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] メダカの塩分選好性行動と海水適応能獲得に要する時間2019

    • 著者名/発表者名
      汲田尚史、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • 学会等名
      日本動物学会 第90回大阪大会
  • [学会発表] メダカにおけるグレリン-モチリン系とそれら受容体の特徴づけ2019

    • 著者名/発表者名
      砂田紗也加、石原美穂、中町智哉、松田恒平、今野紀文、海谷啓之
    • 学会等名
      第44回日本比較内分泌学会大会およびシンポジウム 埼玉大会
  • [学会発表] メダカ培養細胞を用いた浸透圧ストレス転写因子1(Ostf1)の機能探索2019

    • 著者名/発表者名
      市川陽菜、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • 学会等名
      第44回日本比較内分泌学会大会およびシンポジウム 埼玉大会
  • [学会発表] ゲノム編集によるV1a受容体ノックアウトメダカの作出とその表現型の探索2019

    • 著者名/発表者名
      高橋夏美、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • 学会等名
      2019年度日本動物学会中部支部大会
  • [学会発表] メダカ培養細胞を用いた浸透圧ストレス転写因子1の機能の探索2019

    • 著者名/発表者名
      市川陽菜、中町智哉、松田恒平、今野紀文
    • 学会等名
      2019年度日本動物学会中部支部大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi