鳥類の羽は哺乳類の毛と同様に表皮細胞の死細胞で構成された皮膚付属器である。ニワトリでは,鞍部に生じる羽(鞍羽)に顕著な性差が見られる。本研究ではこの鞍羽をモデル系として用い,皮膚付属器の性差形成の分子機構を解析した。さらに,養鶏において雌雄鑑別に利用されている主翼羽の遅羽性の分子機構を解析した。その結果,性差形成では,性ホルモンをはじめとする様々なホルモン系が互いにクロストークすることで適材適所な羽形成がなされていることが明らかとなった。また,遅羽性については,プロラクチンシグナルの量的変化が原因であることが示唆され,プロラクチンの羽形成における重要性が示された。
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