ツメガエルの消化管上皮では、変態期に甲状腺ホルモン(TH)の作用により、幼生型細胞の一部が成体型幹細胞へと脱分化し、増殖・分化を経て成体型上皮を形成する。本研究では、幹細胞特異的な遺伝子の同定やその機能解析により、幹細胞制御機構の解明を目的とした。幹細胞特異的にGFPを発現するトランスジェニックカエルにより、TH受容体(TR)αサブタイプが同細胞で発現することを見出した。また、幹細胞制御にはヒアルロン酸/CD44シグナルが重要な役割を担っていることもわかった。さらに、幹細胞直下の間葉系細胞で転写因子Foxl1が発現することを突き止め、同細胞の幹細胞ニッチ形成への関与が示唆された。
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