研究課題/領域番号 |
17K07478
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
海谷 啓之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40300975)
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研究分担者 |
今野 紀文 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 講師 (50507051)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グレリン / モチリン / メダカ / ネッタイツメガエル / TALEN / 消化酵素 / 受容体 / リガンド |
研究実績の概要 |
グレリン(GHRL)は、脊椎動物において成長ホルモン分泌や摂食、グルコース、エネルギー代謝などを調節するホルモンである。本研究は、ネッタイツメガエルやメダカを用いてGHRL遺伝子改変動物の作出に取り組み、非哺乳類におけるGHRLの本質的な作用、また発生学的、生理学的なGHRLの存在意義を追求しようとするものである。また、GHRLの消化管機能、特に消化酵素に対する役割について調べる。 平成29年度はネッタイツメガエルとメダカにおいてGHRLおよびファミリー分子であるモチリン(MLN)のリガンドあるいは受容体欠損(KO)動物をTALENを用いて作出、またネッタイツメガエル胃腸管において消化酵素の遺伝子クローニングに取りかかった。 ネッタイツメガエルにおいてはGHRLのリガンドKO動物はgenotypingの結果、ホモ個体が一尾得られ、展開を考えたが、体が小さく交尾ができない状態と判断された。メダカにおいてはGHRL受容体GHSR-LR-KOを準備しF1を得たが、genotypingの結果、変異配列の多くが3と6の倍数でstopコドンが入ったものが得られないことから、TALENのデザインを変更する。メダカのMLN受容体KOはF1の変異配列の確認を行い、13塩基欠失の変異個体を得た。現在、WTと交配させてF2ヘテロを作製し、その後にF2ヘテロ同士を交配させて、同腹子のF3ホモとヘテロを得て系統化する。 ネッタイツメガエル胃腸管においてグレリンやその受容体、各消化酵素の遺伝子発現についてin situ hybridizationにて局在を調べるために遺伝子クローニングを行った。ペプシン、トリプシン、グルコシダーゼをターゲットとしているが随時増やす予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体計画の中で、平成29年度の達成度は約50%程度である。それぞれについては以下の通り。 ネッタイツメガエルにおいてはGHRLのリガンドKO動物は成長も遅いことから昨年度から取りかかり始めたが、genotypingの結果、数尾の中にホモ個体が一尾得られ、これを用いた展開を考えた。しかしながら、体が大きくならず交尾ができない状態と判断された。体が小さいのはGRL-KOの影響による可能性が大きいと考えられるが、得られた個体が少なく、次段階に進めていない(達成度0%)。
メダカにおいてはGHRL受容体GHSR-LR-KOをTALENで準備し、F1を得たが、genotypingの結果、変異配列の多くが3と6の倍数で適当な位置にフレームシフトによるstopコドンが入ったものが得られないことから、TALENのデザインを変更することとした。MLN受容体KOはF1の変異配列の確認を行い、13塩基欠失の変異個体が得られたことから、現在WTと交配させてF2ヘテロを作製している。F2ヘテロ同士を交配させて、同腹子のF3ホモとヘテロを得て系統化する(達成度50%)。 ネッタイツメガエル胃腸管における腸管運動以外のグレリンの役割を調べることが目的である。グレリン、またその受容体、各消化酵素の遺伝子発現についてin situ hybridizationを用いて局在を調べる。プローブを作製するための遺伝子クローニングを行っており、ペプシン、トリプシン、グルコシダーゼのcDNAを得たが、in situ hybridizationはまだ行っていない(達成度50%)
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今後の研究の推進方策 |
ネッタイツメガエルのグレリンKOの方はTALENでの効率がわるく、方法をCRISPR/Cas9に変えて行うのが現実的と考えられる。実験の進め方を再検討する。 メダカのGHSR-LR-KO(F1)は変異配列の多くが3と6の倍数で欠損しているものしか得られないことから、stopコドンが入らない状況である。新しいTALENを作って最初から変異導入を行う。 MLNR-KO F1の変異配列は5塩基欠失と確認できたため、WTと交配させてF2ヘテロを作製する。きちんとF1で検出した13塩基欠失がF2に伝わっているのかを確認し、同じ変異配列の雌雄を交配させてF3でホモを作出し系統化していく。現在のところ、得られているF1ヘテロの状態では目立った表現型は認められていない。順調に行けば、秋頃にはMLNR-KOは摂食実験、受容体の組織発現確認実験をできるだけの個体数が得られる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末までに使用予定、購入物品がなかったため繰り越した。
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