研究課題
本研究は我々が発見した雄イモリ腹腺由来の雌誘引ペプチドフェロモン(ソデフリン)と雌誘引ステロイドフェロモン(アンドロステンダイオン、プレグネノロン)、雌イモリ卵管由来の雄誘引ペプチドフェロモン(アイモリン)についてその受容メカニズムおよび受容細胞から中枢でのフェロモン情報処理システムを明らかにすることにより、雌雄の性行動発現機構における性フェロモンの役割を探求することを主な目的としている。2018年度は求愛行動の発現をたかめる下垂体ホルモン、プロラクチン、アルギニンヴァソトシンが雄求愛行動の発現にいかなる影響を及ぼすのかを1時間当たりの求愛行動の発現率(行動した動物の割合)、頻度、一連の行動の1回あたり持続時間、1時間内の行動での行動に費やす時間などを指標にしらべた。その結果、これらのホルモンはこれらすべての指標について有意に増加させることがわかった。現在、雌不在の状態で雄誘引ペプチドが行動発現にどう影響するかを調べている。また、雄求愛行動を引き起こすことが想定される中枢部位を組織学的に明らかにするとともに、その結果明らかとなった神経核でアイモリン刺激に対する応答がみられるかどうか、電気生理学的手法を用いて明らかにすべく、研究を進めている。
3: やや遅れている
フェロモン受容部位や求愛行動発現中枢でのフェロモン応答を電気生理学的に解析する予定であるが、そのために必要な機器の設置に時間がかかってしまったことが主な理由。
フェロモン受容部位や求愛行動発現中枢でのフェロモン応答を電気生理学的に解析する予定であるが、そのために必要な機器の設置の見通しが立ったためこれを推進していく。また今行っている行動学的研究も同時に進めることで、行動学と電気生理学の研究結果を照らし合わせることで求愛行動発現のメカニズムの解明がさらに進むことが予想される。
当初予定していた電気生理学機器および消耗品が入手困難であったため、次年度に購入することになった。
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比較内分泌雑誌
巻: 44 ページ: 19-20