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2020 年度 実施状況報告書

イモリ性フェロモン情報処理メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07490
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

豊田 ふみよ  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10244708)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードアカハライモリ / 性フェロモン / 性行動 / プロラクチン / アンドロゲン / アルギニンバソトシン
研究実績の概要

本研究は我々が発見した雄イモリ腹腺由来の雌誘引ペプチドフェロモン(ソデフリン)と雌誘引ステロイドフェロモン(アンドロステンダイオン、プレグネノ ロン)、雌イモリ卵管由来の雄誘引ペプチドフェロモン(アイモリン)についてその受容メカニズムおよび受容細胞から中枢でのフェロモン情報処理システムを 明らかにすることにより、雌雄の性行動発現機構における性フェロモンの役割を探求することを目的としている。
2020年度は雄の求愛行動の発現に関する中枢での神経回路を明らかにして雄誘引ペプチドフェロモン(アイモリン)の嗅上皮刺激により神経回路にどのような反応が生じるのかの解明へとつなげようとした。雄の求愛行動は雌に向かって尾を折り曲げてその先端を激しく打ち振るという特徴的な行動である。行動解析装置を新たに導入し、繁殖期の雄イモリの尾を折り曲げる角度、尾の振れ幅や、その4速度、持続時間を明らかにした。非繁殖期の動物は求愛行動を行わないが、非繁殖期の動物にプロラクチンやアンドロゲン、アルギニンバソトシンなどのホルモンを投与することによってこれらの行動パターンの各指標が、繁殖期の動物と同程度となることを確認した。次に雄求愛行動発現に重要な役割を持つことが示唆されてきた延髄ニューロンやせき髄ニューロンの位置を生体染色により生きたまま確認することに成功した。実体顕微鏡下でニューロンの位置を確認しながら微小電極を刺入すると同時に嗅上皮のフェロモン刺激も可能な電気生理学実験装置のセットアップを完了した。一方で、フェロモン刺激のみでも雄求愛行動を誘発する可能性も行動学的アプローチにより確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一部の電気生理学用品の調達に遅れが生じ、生理学的アプローチに着手できない期間があったため。

今後の研究の推進方策

雄アカハライモリの尾の動きに関与すると考えられるニューロン群を電気刺激して、求愛行動様の運動が再現されるかどうか調べる。求愛行動発現のための中枢の神経回路網をの詳細を明らかにする。次に嗅上皮に対するフェロモン刺激を行ったときの神経回路網の活動の変化を電気生理学的に明らかにする。アカハライモリのホルモン処理によりこれらのニューロン群の電気生理学的特性がどう変化するのかを探る。

次年度使用額が生じた理由

実験動物の採集あるいは購入のための費用が必要となるため。
2021年度に使用を完了する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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