研究課題
哺乳類ではタンパク質をコードしない長鎖non-coding RNA (long ncRNA, lncRNA)が遺伝子発現調節等の機能を持つことが分かってきたが、個体レベルでの生理機能は不明な点が多い。我々が作製した、新規lncRNA Fat60のKOマウスはヒト疾患に似た表現型を示し、このlncRNAが個体発生に機能を持つことを突き止めた。興味深いことに、表現型は雌のみで現れ明確な雌雄差を示す。なぜ性差を示すのであろうか?。雌雄差を生み出す原因となる、候補としては、「性ホルモン」、「ゲノムインプリント」に加え、「X染色体の不活性化」と呼ばれるエピジェネティックな現象が考えられる。申請者は、雌のみでみられる「X染色体の不活性化」と呼ばれるエピジェネティックな現象に注目し、様々な方法でKOマウスの解析をおこない、X染色体の異常がKOマウスで見られる表現型の差の原因となることを示唆するデータを得た。今後、より詳細な分子メカニズム解析を進めていく準備が整った。
2: おおむね順調に進展している
表現型の解析が一通りまとまったので、論文投稿中。
今後、個体のみならず細胞も用いて、より詳細な分子メカニズムの解析を進める。
論文リバイス実験に必要な資金を次年度に繰り越す。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
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