シナプス伝達は、神経系機能において最も重要で、かつ基本的な情報伝達機構である。本研究では、線虫C. elegansの温度受容ニューロンと、このニューロンがシナプス接続する中枢介在ニューロンとの間の神経間情報伝達制御の分子基盤を明らかにすることを目的とした。線虫からヒトまで、進化的に高度に保存された分子が温度受容ニューロンで機能して、この神経間情報伝達を双方向的に制御していることを見出した。この成果は、シナプス伝達制御を担う新たな分子の同定であり、今後、基礎研究、および応用研究へのさらなる展開が期待される。
|