細胞小器官ミトコンドリアは、核に存在するゲノムとは別の独自のゲノム、ミトコンドリアDNA(mtDNA)をもっている。哺乳動物細胞において核DNAの構成塩基の一つであるシトシンのメチル化修飾は遺伝子発現制御において重要な役割を果たしていることが知られている。一方、mtDNAが同様のメチル化修飾を受けるか否かはよく分かってなかった。そこで本研究でマウス体細胞、胚性幹細胞培養株のmtDNAを3種類の解析手法を用いて徹底的に解析したところ、mtDNAにはユニバーサルに生理的役割を持つようなレベルでの5‐メチルシトシンが認められないことが明らかになり、mtDNAに対する我々の理解を大きく前進した。
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