本研究では、CRISPR/Cas9法によりメダカの錐体オプシン遺伝子(全8種)にフレームシフト変異を導入した。単色光下の視運動反応に基づいて波長感受性を定量したところ、赤オプシンを失った変異体は赤色光感受性が低下した一方、紫オプシンを失った変異体の紫外線感受性は野生型と同程度だった。さらに、紫と青の2種類のオプシンを失ったメダカも同様に紫外線を感受した。これらの結果は、動物が示す紫外線への応答が、必ずしも紫や青のオプシンを介さないことを示唆する点で興味深く、緑や赤のオプシンだけでも幅広い波長への応答が可能であることを示している。引き続きこれらの変異体の解析により、動物の色覚の理解が進むだろう。
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