アンボレラは、被子植物進化の最基部に位置し、他の全ての被子植物の姉妹群である。その系統的位置に照らして、花の雌雄性や発生を調べた。その結果、アンボレラの花はもともと両性花であったこと、雌雄性により失われる繁殖効率を両媒や開花期間を長くすることで補っていると考えられた。また、雌性配偶体の構造を再研究した。その結果、9細胞10核であることを確認した。造卵器は1卵細胞と4個の助細胞の5細胞からなっていた。この構造は、裸子植物の基部植物であるソテツやイチョウの造卵器を同じであり、これにより、裸子植物とつながるミッシング・リンクを捉まえた。
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