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2019 年度 実績報告書

タラ目魚類の進化史解明:ミトコンドリアゲノミクスによる網羅的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17K07531
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 崇  京都大学, 総合博物館, 研究員 (60436516)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードタラ目 / 分子系統 / ミトコンドリアゲノム / ミトゲノム構造 / 分子進化
研究実績の概要

3年計画の最終年度にあたる2019年度は,年度前半に科内の多様度が高いチゴダラ科とソコダラ科を中心に,ミトコンドリア (mt) ゲノム全長塩基配列データと複数の核遺伝子の決定や科内の系統解析を行った.また年度後半には,タラ目魚類の包括的系統解析のまとめとして,得られた全データセットをもちいた系統解析ならびに遺伝子配置の解析を行った.
最終的に,既知のタラ目13科84属613種中の全科と半数以上の属,そして約10%の種数をカバーする13科47属60種の新規mt ゲノム全長配列を決定した.これに外群やデータベース上の既登録データ(部分配列を含む)を加え,総計244種を網羅する系統樹を構築することができた.その結果,タラ目の単系統性は強く支持され,目内で最もbasalなグループとして,過去の研究例では指摘されたことのないサイウオ科が位置することが示された.現行の分類体系に即した目内各科の単系統性も強く支持された.目内は大まかに,タラ科,チゴダラ科,ソコダラ科を中心とした3つのグループに分かれることが示されたが,科内に1-2種しか含まれないような多様性が低いグループ (ラニケプス科, ウナギダラ科など)の系統位置は定まらなかった.8種類の核遺伝子配列から得られた系統樹も,mtゲノムの結果と大筋で一致した.しかし,上記の多様性が低い科の系統位置については,mtゲノムとは大きく異なる結果となった.より精度の高い科間の系統関係を求めるには,進化速度の差が少ない非連鎖核遺伝子の配列を増やす必要があることが示唆された.
本研究で扱ったタラ目魚類のmt ゲノムには,目全体で共有されるものや,特定の科もしくは属内で共有されるものなど,8パターンの遺伝子配置変動が発見された.これらの配置変動は,それぞれのグループに分化する際に生じたと見られ,単系統性を支持するマーカーとなることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] タラ目魚類の網羅的分子系統解析とミトゲノムの構造進化2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤 崇
    • 学会等名
      日本魚類学会
  • [学会発表] ハゼ亜目魚類における地球規模的な分布域拡大過程の再構築2019

    • 著者名/発表者名
      昆 健志・佐土 哲也・Lukas Ruber・佐藤 崇・吉野 哲夫・西田 睦・宮 正樹
    • 学会等名
      日本魚類学会
  • [学会発表] Collection of fish tissue specimens for molecular analysis in museums and examples of utilization.2019

    • 著者名/発表者名
      Takashi P. Satoh, Yoshiaki Kai
    • 学会等名
      The Union of Japanese Societies for Natural History
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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