研究課題/領域番号 |
17K07534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
鶴崎 展巨 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183872)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地理的変異 / 染色体 / 交雑帯 / 環状重複 / 種分化 / ザトウムシ |
研究成果の概要 |
ザトウムシ類は外部形態形質や染色体数の地理的分化が顕著で,染色体種分化の問題の検討に適している。これまで私が蓄積してきたアカサビザトウムシ,ユミヒゲザトウムシ種群,ナミザトウムシ種群などの染色体数の地理的分化について,未調査地域を中心に核型調査を進め日本列島における本類の系統分類の完成をめざした。またいくつかの染色体交雑帯についてその性質を解析した。さらに,産雌単為生殖の2種(ヒラスベザトウムシ,タマヒゲザトウムシ)についても集団遺伝学的解析を進め,両種の単為生殖が併存性で,雌は産雌単為生殖と両性生殖のいずれでも子をつくれること,雌は野外で平均2の雄と交尾することなどを確認した。
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自由記述の分野 |
動物分類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体種分化は1970-1980年代に種分化の1プロセスとして注目されたが,最近は研究があまり進展していない。1990年代以降,野外集団遺伝学に関心のある研究者の多くが解析手法として核型分析からDNAに移行したのが一因と考えられる。ザトウムシ類は染色体数の地理的分化がきわめて顕著な動物群であり,染色体情報なしには,別種か同種かの識別も困難であった。この研究ではこれまで未調査であった地域についても染色体情報を得たことにより,本類の分類学的整理の基礎を確立できた。また,染色体交雑帯でヘテロ接合核型が超優性を示す例をはじめて示した。産雌単為生殖の進化生物学的問題に新視点を提供できた.
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