渓流植物であるシダ植物のヤシャゼンマイについて胞子の発芽から配偶体形成までを近縁種と比較した研究では、ヤシャゼンマイの方が配偶体の成長が速いことが報告されている(Hiyama et al., 1992)。しかし、渓流沿い植物に見られる発芽特性の分化は、被子植物では我々が知る限り例がない。本研究は、van Steenis(1981)以来形態学的研究に偏向していた渓流沿い植物の進化に関する研究に新たな視点を加えるものとして、重要な一石を投じたと言える。Ecologyに掲載された渓流沿い植物に関する総説(Costa et al. 2020)においても我々の論文が引用され、紹介されている。
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