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2019 年度 実績報告書

同所的に生息する湖沼性淡水魚の体色の類似化と色覚の関連性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K07543
研究機関福岡女子大学

研究代表者

猪股 伸幸  福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20301335)

研究分担者 山平 寿智  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード共進化 / 性淘汰 / 視覚 / オプシン / メダカ / サヨリ
研究実績の概要

ミトコンドリアおよび核遺伝子の塩基配列で推定した系統樹から、スラウェシ島のNomorhamphus属のコモチサヨリは、黄色い体色のマリリ湖群のグループと黒い体色のポソ湖のグループと姉妹群になることがわかった。一方、青い体色のスラウェシ島南東部のグループは、これら2種群とは系統的に大きく離れることがわかった。Mokodongan et al. (2015)は、Oryzias属のメダカの系統関係について、黄色い体色のマリリ湖種群は、黒い体色のポソ湖種群と単系統的となり、青い体色の南東スラウェシ種群はこれらと系統的に離れた場所に位置することを明らかにしている。この結果は、コモチサヨリとメダカという2つの淡水魚のグループが、この島の地史を反映して分散や隔離などの進化史のイベントを共有していることを示している。
体色が異なる(黒色、黄色、青色)種(サヨリ科:N. celebensis, N. cf. ebrardtii, N. megarrhamphus;メダカ科:O. nigrimas, O. profundicola, O. woworae)について、色覚オプシン遺伝子の発現量を比較した。その結果、サヨリ科とメダカ科どちらの科でも、黄色い体色の種で、オプシンの発現量が低い傾向が見られた。この結果は、サヨリ科・メダカ科の両種群で、黄色い体色の種が他の体色の種と比較して色覚の感度が低いことを示唆しており、同じ生息地に隔離されたコモチサヨリとメダカは、それぞれの生息環境下で共通の淘汰圧にさらされることで、類似した体色を進化させてきたことも示唆している。

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公開日: 2021-01-27  

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