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2019 年度 実績報告書

多種同調産卵はミドリイシ属サンゴの雑種種分化を引き起こすのか?

研究課題

研究課題/領域番号 17K07545
研究機関沖縄工業高等専門学校

研究代表者

磯村 尚子  沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 准教授 (90376989)

研究分担者 深見 裕伸  宮崎大学, 農学部, 教授 (50402756)
守田 昌哉  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (80535302)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード雑種種分化 / ミドリイシ / 多種同調産卵
研究実績の概要

令和1年度は、前年度に引き続き1)生態学的アプローチ:多種同調産卵する場所と低頻度な場所での雑種形成の調査、2)分子系統学的アプローチ:十分なレベルでの遺伝的な系統推定による雑種性の検討、の2点の遂行を予定していた。1)については、瀬底島において多種同調性観察を行なった。本年は、5月と6月の満月がいずれも中旬過ぎの19日と16日であったためか、多くのミドリイシ属サンゴ種は5月と6月に分かれて産卵した。さらに例年とは異なり、新月から上弦の月に産卵がみられた。昨年と比較するために、前年観察対象としたトゲスギミドリイシ5群体とサボテンミドリイシ5群体の一部を採集し、屋外水槽で産卵確認をしたところ、同種内・異種間で同調性が低くばらばらに産卵した。なかには産卵せず卵を吸収した群体もみられた。このことから、瀬底島では前年度みられたような多種間同調性が高い年が時々みられるものの、やはり対象2種において種間の同調性は著しく低く、また種内の産卵にもばらつきがあることが多いことがわかった。しかし、この多種同調性の頻度を解明するためには、今後も追跡調査する必要がある。
2)については、瀬底島より採取していた対象2種およびオヤユビミドリイシ枝片を採取しDNA抽出をおこなった。今のところ、推定雑種と考えられる中間形態は確認されていない。得られたDNAの一部を用いて、MIG-Seq法によりSNP多型を検出した。得られたデータを基にPCoAおよびStructure解析を行ったところ、トゲスギミドリイシとオヤユビミドリイシに遺伝的な浸透が示されたがごく一部であった。これらは、前年度での阿嘉島でみられた3種間の強い遺伝的な浸透とは異なっていた。このことから、遺伝的浸透には種間同調性が影響している可能性がある。今後、残りのサンプルを加えて解析を完結させ、両海域の比較を行なう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reproductive strategies in the intercrossing corals Acropora donei and A. tenuis to prevent hybridization2019

    • 著者名/発表者名
      Morita Masaya、Kitanobo Seiya、Nozu Ryo、Iwao Kenji、Fukami Hironobu、Isomura Naoko
    • 雑誌名

      Coral Reefs

      巻: 38 ページ: 1211~1223

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s00338-019-01839-z

    • 査読あり
  • [学会発表] 多種同調産卵によるミドリイシ属サンゴ集団の遺伝的関係への影響2020

    • 著者名/発表者名
      磯村尚子・菊地泰生・志村晶史・袰岩美月・安田仁奈・深見裕伸
    • 学会等名
      日本生態学会第67回大会
  • [学会発表] The genes expression of hormone and neuronal transmitter receptor in relation to gametogenesis and spawning in Acropora intermedia2019

    • 著者名/発表者名
      Isomura N and Yogi T
    • 学会等名
      4th Asian Marine Biology Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 多種同調産卵する地域におけるミドリイシ属サンゴ集団の遺伝的関係2019

    • 著者名/発表者名
      磯村尚子・原口弦大・菊地泰生・志村晶史・袰岩美月・安田仁奈・深見裕伸
    • 学会等名
      2019年日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会
  • [図書] Monitoring Artificial Materials and Microbes in Marine Ecosystems: Interactions and Assessment Methods2020

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Takahashi (ed)
    • 総ページ数
      89
    • 出版者
      Benthambooks
    • ISBN
      978-981-14-3723-6
  • [備考] 沖縄工業高等専門学校生物資源工学科 磯村研究室の紹介

    • URL

      https://sites.google.com/site/onctenvbiores/home/isomuralab

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公開日: 2021-01-27  

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