研究課題
本研究に伴う採集標本に基づく記載分類学的成果として,沖縄周辺を中心とする日本近海からOphiambix属の2未記載種を発見し,本属の日本産種の整理を行った.また,海底洞窟から得られた発光性を有するOhiopsila属の1新種を記載した.さらに国内から見つかったテヅルモヅル類の骨片化石,ウミガメの甲羅上で生息していたチビクモヒトデを報告し,熊野灘のクモヒトデ類相については,他の底生動物とともに論文としてとりまとめた.またインドネシアの深海域や南極海域からの標本を入手し,分析を進めている. これらにより,タクソンサンプリングの充実がはかれた.分子系統解析については,科レベル以上の高次分類群の大系統については,オーストラリア等の研究者による大改訂が行われたため,科レベル以下で分類学的な問題点等があるところを中心に進めた.研究者によって種の識別について意見が分かれていたセノテヅルモヅル属を解析した結果,日本産種は4種に整理されることが明らかにされた.また,クラゲに共生しているクラゲノリクモヒトデについてMIG-Seqによる系統地理学的解析を行ったところ,遺伝的に均一な集団が広く日本から東南アジア海域に分布していることが明らかとなった.X線マイクロCTについては,新たに国立科学博物館筑波地区に新規に導入された装置による観察を開始しデータを追加するとともに,SEMによる骨片の観察を継続した.これまでの観察結果に基づき,特に顎を形成する囲口板,歯板,口板や,腕の腕骨や側腕板は形態が複雑であり,それぞれの骨片の持つ形質が多いため,種間または高次分類群間で大きな形態差が認められることが明らかとなってきたが,それらが進化系統によるものかの検討が必要である
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