殺虫細胞をもつスギエダタケを利用するトビムシの種組成が地域により異なるかを18地点のスギ天然分布林で調べた。その結果、地域によってスギエダタケを摂食する種の有無や組成、食べ方が異なることが明らかになった。秋田と山形、新潟ではCeratophysella sp. 1がひだを摂食していた。山梨、静岡、岐阜、福井、京都、和歌山、鳥取、隠岐の島、島根、高知ではオオオニムラサキトビムシあるいはその近縁種が子実体内部の組織を摂食していた。青森と佐渡島、宮城、富山、屋久島ではトビムシに摂食されていなかった。これらの結果から、スギエダタケとトビムシの相互作用が地域によって異なることが明らかになった。
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