研究課題/領域番号 |
17K07568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
畑 啓生 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (00510512)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サンゴ礁 / 地球温暖化 / サンゴの大規模白化 / 種間競争 / 回復力 |
研究成果の概要 |
なわばりを持つ藻食性スズメダイ類は、サンゴ礁生態系において、底質の11~70%を占め、キーストーン種としての役割を持つ。地球温暖化による海水温の上昇で、世界中のサンゴ礁では大規模サンゴ白化が頻発している。サンゴの被度が減少し、変わって藻類が増加する中で、なわばりを持つ藻食性スズメダイ類は、なわばり内にサンゴと競合する藻類を繁茂させ、サンゴ礁の回復を妨げることが危惧される。本研究では、沖縄のサンゴ礁域で、スズメダイのなわばりを調査し、スズメダイがサンゴをついばんで、ハマサンゴ上になわばりを拡張する一方、頻繁になわばりを放棄し、なわばり内に着底したサンゴが模撹乱後の種集団となりうることを示した。
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自由記述の分野 |
生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化による海水温の上昇で、世界中のサンゴ礁は頻発する大規模撹乱下にある。本研究は、大規模白化からのサンゴ群集の初期再生の過程にスズメダイのなわばりが果たす役割を明らかにすることを目的としている。本研究により、スズメダイのなわばり内が白化の影響を受けやすいサンゴ種の回復のための場所として機能している可能性が示唆された。一方で、2020年4月には、世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフにおいて、はじめて全域でサンゴ白化が確認され、日本のサンゴ礁でも夏季の白化が強く危惧される。今後、さらに度重なる撹乱と、そこからの回復の過程について追跡調査を行い、検証を進める必要性が示された。
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