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2020 年度 実績報告書

円網性クモの交尾器破壊を用いたメスの再交尾抑制とその進化

研究課題

研究課題/領域番号 17K07576
研究機関京都女子大学

研究代表者

中田 兼介  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (80331031)

研究分担者 繁宮 悠介  長崎総合科学大学, 総合情報学部, 准教授 (00399213)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードクモ / 交尾器 / 性選択 / 性的対立 / コスト / 交尾行動 / 精子利用
研究実績の概要

前年度の研究成果により、2オスから3回挿入を受けたメスの場合、2回挿入を受けた場合より孵化卵数が多くなる、という結果を得た。そこで本年度は1回挿入を受けたメスと2回挿入を受けたメスの間で孵化卵数を比較したところ前者で多くなるという結果を得た。このことは、挿入回数が多くなると孵化卵数が増えるという仮説に反するものである。そこで後者のみに生じた交尾器破壊に何らかのコストがあり孵化卵数に影響した可能性について過去の実験データを再解析してみたところ、交尾器破壊の影響は検出できなかった。挿入回数と卵数との関係については、更なる調査が必要といえる。
また、前年度の実験により作成した、2オスから3回挿入を受けたメスと、2オスから2回挿入を受けたメス、およびその子について大規模塩基配列推定を行い、2オスの精子が受精の際にどのように使用されているかの推定を、塩基配列からRAxMLにより作成した系統樹を用いて行った。その結果、2オス2挿入のクラッチ内では、明確な2つの枝に別れ、それぞれ3個体と8個体が含まれていた。2オス3挿入の2つのクラッチは、2オス2挿入のクラッチほど明確な枝はクラッチ内で現れなかった。クモではメスが2つの受精嚢を持っており、2オス2挿入メスは2つの受精嚢に別のオスからの精子を持つ。上の結果は、2挿入では2個体のオスの精子を使っていることを示唆おり、メスが両受精嚢の精子をどちらも使うことを意味している。3挿入メスは片方の受精嚢に2オスからの精子を持っているが、2回挿入したオスの精子は、2オスの精子が入っている側の受精嚢には後から入り、もう1つの受精嚢を占有している。上記の結果は、3挿入では1個体のオスの精子のみが使われている可能性を示唆しており、受精嚢に複数オスの精子が入っている場合、後から入った精子が優先して使われていることを意味している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Association between external female genital mutilation and securing paternity in a spider2021

    • 著者名/発表者名
      Nakata Kensuke
    • 雑誌名

      Ethology

      巻: 127 ページ: 366~371

    • DOI

      10.1111/eth.13136

    • 査読あり
  • [学会発表] クモの交接における挿入回数が孵化卵数に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      中田兼介・繁宮悠介
    • 学会等名
      第39回日本動物行動学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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