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2019 年度 実績報告書

メスの交尾可能回数の種間変異がオスの繁殖戦略に与える進化的影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K07577
研究機関長崎総合科学大学

研究代表者

繁宮 悠介  長崎総合科学大学, 総合情報学部, 准教授 (00399213)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード交尾器破壊 / 一回交尾 / 多回交尾 / 配偶者選択 / 求愛歌 / オス間闘争
研究実績の概要

2年間の進捗具合から、最終年度に必要なデータ数に到達することを目指し、ゴミグモとミナミノシマゴミグモ(以下、ミナミノシマと省略)において、オスによるメスの選択実験を行った。ゴミグモで20例、ミナミノシマの春世代で20例、ミナミノシマの秋世代で20例のデータを得た。3年間の合計データ数は、ゴミグモでは45例、ミナミノシマの春世代で52例、秋世代で51例となった。目標としたデータ数には数例届かなかったが、それぞれにおいて、(1)処女メス×既交尾メス、(2)処女メス×亜成体メス、(3)既交尾メス×亜成体メスの3つの条件のデータ数を均等にすることができ、解析には十分耐えられるデータを集めることができた。網に対する選択、メスグモの匂いに対する選択のそれぞれで解析を行った結果、ゴミグモではメスの交尾経験の有無や未成熟であることに対してオスの選択は起こらず、ミナミノシマでは未交尾のメスが選ばれるという傾向が見られ、両種のメスの多回交尾の起きやすさと符合する結果であると言える。
また、レーザードップラー振動計を用いて求愛時の網の振動を測定した。今年度のデータ数はゴミグモで4例(3年間の合計14例)、ミナミノシマで8例(同18例)の測定を行った。波形データとともに、その波形が生じる際のクモの動きをビデオ撮影し、動画編集により4つの動画の時刻を同期させ4分割画面の1つの動画に出力することで、行動解析を行いやすくした。
メス1個体に対するオス2個体の同時求愛の実験では、今年度はゴミグモで2例(3年間の合計8例)、ミナミノシマで9例(同15例)のビデオ映像が取得できた。両種とも、オス間で闘争や追い出しは確認されなかったが、メスに対する求愛行動は通常に比べて激しくなった。メスは2個体のオスと続けて交尾することが観察され、配偶者選択を行っているようでは無かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] マルチカメラ撮影したクモの求愛行動映像の同期多画面化2020

    • 著者名/発表者名
      繁宮悠介
    • 雑誌名

      創見創新(長崎総合科学大学新技術創成 研究所・紀要)

      巻: 15 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] メスの交尾器破壊と複数回交尾の利益2019

    • 著者名/発表者名
      中田兼介・繁宮悠介
    • 学会等名
      日本動物行動学会第38回大会
  • [学会発表] 造網性クモにおける複数オスとの交接がメスにもたらす利益2019

    • 著者名/発表者名
      中田兼介・繁宮悠介
    • 学会等名
      日本蜘蛛学会第51回大会

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公開日: 2021-01-27  

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