研究課題/領域番号 |
17K07579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
真壁 竜介 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (40469599)
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研究分担者 |
黒沢 則夫 創価大学, 理工学部, 教授 (30234602)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 南大洋 / 季節海氷域 / 表層生態系 / 沈降粒子 / 動物プランクトン糞粒 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は南極海生態系のブラックボックスである海氷融解期の生態系動態と物質循環機構把握というゴールに向かって、観測・分析手法を確立すること、および確立した手法を用いて物質循環のキープロセスを抽出することであった。漂流系の消失によって計画に大幅な変更は生じたものの、沈降粒子の固定液として中性ルゴール液の有用性を確認できたことで、南極海を含む多くの海域で取り組まれる炭素循環研究の新たな可能性を示すことができた。また、観測結果からこれまでに沿岸域でしか報告のなかった動物プランクトン糞粒様渦鞭毛虫が炭素隔離、または亜表層―中層生態系において重要である可能性が示された。
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自由記述の分野 |
生物海洋学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南大洋は炭素の吸収海域として考えられているが、広大なエリアを占める季節海氷域の炭素収支の見積もりは不確実性が高い。この一因として海氷の存在や文明圏からのアクセスの困難さのために、生物ポンプを駆動するプロセスが理解されていないことが挙げられる。本研究では手法確立、新たな炭素循環プロセスの発見に加えて、最終年度に海氷融解期の漂流系観測手法をほぼ確立できた。今後の研究によって本手法が国際的に広く利用されることで、季節海氷域物質循環の理解は飛躍的に進む。結果として、IPCC等で予測される将来の気候変動の精度向上を通して人類・社会の今後に大きく貢献することが期待される。
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