研究課題
雌雄同株異花であるニガウリにおいて個体当たりの雌花と雄花の比率を決める遺伝的機構の解明を目指した研究を実施した。昨年度にQTL-seqにより絞り込んだ雌性型遺伝子座領域の遺伝子多型について、他のニガウリ混性型系統との比較解析を行なって雌性型系統特異的な多型の絞り込みを試みたが、明確な候補遺伝子(多型)が見つからなかったため、大きな構造変異である可能性を推測して雌性型系統(OHB61-5)のゲノム配列をナノポアシークエンス により解析した。その結果、40kbpのリード長をピークとする15Gbのシークエンス データが得られ、リファレンスゲノムにマップすることで構造変異の検出を行った。そこで同遺伝子座領域の数十塩基以上の欠失、挿入を複数見出した。今後は他の系統との同領域の比較を行なって原因遺伝子を見出す。これとは別に昨年度に先進ゲノム支援のサポートにより解析し、構築したニガウリPseudomoleculeをリファレンスとして台湾大学との共同研究により60系統のニガウリ品種、野生系統のリシークエンスデータの比較を行なった結果、栽培品種群と野生系統群の間でFst(遺伝的固定の程度)が有意に低い領域を第一染色体の末端近傍に見出した。その領域が雌性型遺伝子座に近接していたため、MQM法に基づく雌性花率のQTLマッピング解析を再度行ったところ、雌性型遺伝子とは独立なQTLが同領域の上流に見出され、そのQTLとFstが低い領域とが一致した。
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Proceedings of the National Academy of Science USA
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