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2017 年度 実施状況報告書

殺花粉作用を誘発する胞子体因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07603
研究機関九州大学

研究代表者

久保 貴彦  九州大学, 農学研究院, 准教授 (00370148)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード花粉キラー / 遺伝子 / 胞子体因子 / indica / japonica
研究実績の概要

花粉キラーは、ヘテロ接合体において、この因子を持たない花粉を選択的に殺し、自身のアレルを優先的に後代に伝える「利己的遺伝子」である。花粉キラーは様々な植物種でその遺伝現象が報告されてきたが、原因遺伝子が特定されたのはわずか一例しかない。本課題では、イネの花粉キラーの分子・生理機構を明らかにすることを最終目標として、花粉キラーに相互作用する胞子体因子の同定を行う。H29年度は、次にあげる3つの研究項目について進めた。(1)胞子体因子の高密度連鎖解析:栽培イネ品種あそみのり(japonica)とIR24(indica)の戻し交雑集団を用いて、胞子体因子領域に関する組換え個体のスクリーニングを行った。結果として28個体の組換え個体を得て、それらの表現型データを取得した。(2)花粉キラー遺伝子の特定:(1)と同様に花粉キラー遺伝子領域の絞り込みを行なったが、既に特定している領域内で組換えを起こした個体は得られたなかった。(3)第3因子の探索:花粉キラーに対する稔性回復因子(indica由来)の存在が示唆されているため、それを探索する目的で同交雑組み合わせに由来する初期世代BC1F2集団から稔性を回復する3個体を選抜した。副次的な成果として、本初期世代集団の遺伝的解析を通して、他の花粉キラー遺伝子との関係性と各遺伝子の雑種第1代世代における表現型への効果を明らかにすることができた(Kubo et al. 2017)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3つの研究項目(1)胞子体因子のファインマッピング、(2)花粉キラー遺伝子の特定、(3)第3因子の探索、について当初の計画どおり進めることができたため。(1)については、自殖後代で表現型の再確認が必要であり、来年度も表現型解析を引き続き進める予定である。

今後の研究の推進方策

3つの研究項目について、当初計画どおり研究実験を進める。(2)について組換え体が得られなかったが想定内のことであり、今後は発現解析およびDNA多型性の情報をもとに候補遺伝子の絞り込みを進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Genetic characterization and fine mapping of S25, a hybrid male sterility gene, on rice chromosome 12.2017

    • 著者名/発表者名
      Kubo T., Yoshimura A., and Kurata N.
    • 雑誌名

      Genes & Genetic systems

      巻: 92 ページ: 205-212

    • DOI

      http://doi.org/10.1266/ggs.17-00012

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Dissecting genetic networks underlying F1 hybrid sterility and hybrid breakdown in rice.2017

    • 著者名/発表者名
      Kubo T., Yoshimura A., and Kurata N.
    • 学会等名
      Plant Genome Evolution
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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