研究課題/領域番号 |
17K07605
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
穴井 豊昭 佐賀大学, 農学部, 教授 (70261774)
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研究分担者 |
渡邊 啓史 佐賀大学, 農学部, 講師 (40425541)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 突然変異 / シンクロトロン / X-線 / ダイズ / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
H30年度は、逆遺伝学的な変異遺伝子単離を行う際に利用しやすい、1塩基から数十塩基程度のIN-DEL変異の導入効率が高いシンクロトロン光(X-線)の照射条件を明らかにすることを目的として、供試するダイズ種子の水分含量およびAlおよびCuフィルターの有無、照射量を変化させた、シンクロトロン光照射ダイズ種子集団を作成し、当代における放射線障害を評価するため、発芽率および3週間後の生存率を調査した。その結果、種子水分含量が20%のものの方が10%のものに比べて顕著な発芽率および生存率の向上が認められ、種子中の水分含量の増加が何らかのメカニズムを介してX-線照射のダメージを軽減していることが明らかになった。また、照射量については、いずれの条件でも300Gy前後で3週間後の生存率が50%程度となることが明らかになった。 さらに、これらの結果を踏まえて、水分含量20%の無照射区、20%および10%のフィルター無し300Gy照射区、20%のAlフィルター有り300Gy照射区、20%のCuフィルター有り300Gy照射区の5種類の集団それぞれからM2種子を採種した。その後、温室内で栽培したM2個体の緑葉よりDNAを抽出し、試験区ごとに5個体ずつのDNAを混合し、次世代シークエンサーで塩基配列を解析し、約20倍深度のゲノム塩基配列データを得た。これらのデータとWilliams 82のゲノム塩基配列の比較から解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次世代シークエンサーによるIN-DELの検出を行なっているが、プールした変異体のDNAを用いた影響か既存の解析プログラムによる変異の検出が難しく、最適な解析条件を見出すのに時間を要しており、さらに別の手法を適用することも検討している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、さらに規模を拡大した変異集団の作成を進めるとともに、表現型と塩基配列の両方からさらに詳細に導入された変異の評価を進めてゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次世代シークエンサーを用いた変異解析について若干の研究計画変更が生じたため、H31年度に追加の解析を予定しており、この分の経費執行がH31年度となっているため。
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