本年度は、昨年度の研究で検出されたInDelのうち、それぞれの処理区(100Gyフィルターなし、200Gyフィルターなし、100Gy+アルミニウムフィルター、100Gy+銅フィルター)で特異的に観察されたものの一部に対して、多型を検出するためのプライマーセットを設計し、InDelの識別を試みた。前述の4種類の処理区について、変異した配列の長さが100bp程度のInDelをランダムに30個選び、5個体分のゲノミックDNAエオプールしたものを鋳型としてPCRを試みたが、期待される大きさのPCR産物が検出されたのは、僅かに3個のみであり、InDelの検出率は2.5%であった。このため、昨年度行った次世代シークエンスによるInDel変異の検出の精度に問題があり、このステップを改善する必要があることが明らかとなった。また、実際にシンクロトロン光処理で誘発されたInDel変異の頻度は次世代シークエンスの結果から推定されていたものよりさらに低く、以前我々が作成したEMS処理変異集団に生じた一塩基置換変異の1%程度であることが明らかになった。
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