研究課題/領域番号 |
17K07615
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
田口 和憲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター 畑作物開発利用研究領域, グループ長 (80414754)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | テンサイ / 収量 / ヘテロティックプール / ヘテロシス / ダイアレル交配 / 連鎖不平衡 |
研究実績の概要 |
本研究では、テンサイのエリート一代雑種親品種の中から重要な数種のヘテロティックグループのに帰属される自殖系統について生産力調査を行うとともに、Whole genome shotgun法により得られた次世代シーケンスデータを取得して、データベース公表されているテンサイゲノム配列等を利用して、SNPパターンの系統間差からハプロタイプブロックの推定とデータ抽出を目的としている。さらに、得られた比較ゲノム情報に基づいて、上記自殖系統間でダイアレルクロス交配したF1の根重の大小や根中糖分の多少に関してゲノム予測モデルを検討することとしている。 平成29年度は、4つの異なるヘテロティックプールに由来する自殖系統、具体的には「NK-195BRmm-O」、「NK-235BRmm-O」、「NK-237BRmm-O」および「NK-388mm-O」の4種類の自殖系統間で片側ダイアレル交配した親とF1を、ペーパーポット移植栽培法により、北海道農業センターの精密育種試験圃場において乱塊法4反復の表現型調査(生産力検定)を実施した。調査形質は、根重、根中糖分、糖量および品質成分(Na, K, アミノ態窒素)であり、テンサイの公定分析方法により調査した結果、根重ならびに根中糖分に幅広い変異を確認した。 また、異なる遺伝的背景を持った4つの親自殖系統については、Illumina HiseqによるNGSデータを取得し、Kmerについて前処理(Trimmomatic使用)を行い、高品質データであることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
表現型データの取得は、計画した通りに実施できた。また、次世代シーケンスデータについても、片側ダイアレル交配に用いた4つの自殖系統を用いて、高品質なデータを目標通りに取得できた。
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今後の研究の推進方策 |
テンサイのリファレンスゲノムについては、米国のミシガン州立大においてUSDAのEL10が、テンサイの染色体数と同じ9つのScaffoldとして高精度なアッセンブルに成功している。このため、本課題で得たリシーケンスデータについては、米国のリファレンスゲノムEL10との比較解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度に学会参加費および論文公表として考えていた予算を、30年度5月に米国で開催される国際学会での参加費用ならびに旅費として30年度での使用計画へ変更したため。
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