花を咲かせるタイミングの操作は,作物の生産量や品質や育種効率を向上させるために極めて重要な育種学的課題である.本研究では,二年生のテンサイをモデルとして開花の分子基盤の構築を試みた.先ず,「開花の抑制」の実験では,検出されたQTLの一つが一年生と二年生のマスター遺伝子であるBvBTC1座のエクソン内のSNP変異に起因すること,1箇所のSNPで育種形質の改良が可能であることが明らかになった.次いで,「開花の促進」の実験では,1年以上から4ヶ月程度にまで採種期間が短縮される(開花促進に)大きな効果を持ったQTLを見出し,QTL近傍には数種類の既報の開花関連遺伝子が含まれることが明らかになった.
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