我が国には約30 万haの不作付けの水田があり、トウモロコシ等の飼料作物生産の場としての活用が望まれている。しかし、トウモロコシは湿害に弱く、排水不良の水田転換畑で安定的生産するのは困難である。一方、トウモロコシには耐湿性を有するテオシントという近縁種があり、我々はテオシントの耐湿性の一部を従来の交配により取り入れた耐湿性トウモロコシ系統を保有している。この系統は通常のトウモロコシより高い耐湿性を示す。そこで本研究では、この耐湿性系統の遺伝子群を解析し、本系統に耐湿性をもたらす候補遺伝子を同定した。本成果は水田転換畑で安定生産できる耐湿性トウモロコシ品種の開発に活用されることが期待される。
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