研究課題/領域番号 |
17K07635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物生産科学
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 主任研究員 (40425658)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オゾン / 水稲 / 収量 / 品種間差 / クリティカルレベル |
研究成果の概要 |
日本の水稲15品種を対象にオゾンの収量に対する影響をオゾン暴露実験によって評価した。その結果に基づき、オゾンが及ぼす影響の品種による違いを評価し、収量に対するリスク評価を行った。 2作期のオゾン暴露実験に基づくと、水稲の収量に対するオゾン感受性は、「はえぬき」が比較的高く、「コシヒカリ」や「彩のかがやき」が中庸で、「ヒノヒカリ」や「日本晴」は低感受性であった。さらに、10品種を対象に相対収量5%低下をエンドポイントとした収量に対するオゾンのクリティカルレベルを検討したところ、昼7時間のAOT40で、3.1~9.1 ppm・hであり、10品種の全結果に基づいた場合は、5.1 ppm・hであった。
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自由記述の分野 |
植物生理生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、10品種以上の我が国の水稲品種を対象にしたオゾン影響評価実験が初めて実施され、水稲収量に及ぼすオゾン影響の品種間差異を検討した。この検討結果により、オゾンの悪影響を受けにくい品種や受けやすい品種が明らかになり、実際の水稲栽培への反映に留まらず育種研究やオゾン耐性遺伝子の抽出など、幅広いオゾン研究の基本データとしても重要なものとなると考えられる。 さらに、水稲に及ぼすオゾンリスク評価モデル式を構築することによって、水稲に対するオゾンのクリティカルレベル評価を行った。この結果は、我が国の植物保護のためのオゾンの環境指針値の提唱に向けた貴重なデータとなると考えられる。
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