これまでの研究により、作物に40~50℃、数十秒の熱ショック処理を施すと病害に対する抵抗性が誘導されることが分かっていたが、その発現には既知の全身獲得抵抗性の反応に加え未知の反応系が平行して、または相互に作用しながら関与していることが示唆されていた。本研究ではキュウリならびにトマトを用い、熱ショック転写因子の挙動に着目し、熱ショック処理後、全身獲得抵抗性の誘導より早く熱ショック転写因子が活性化し、病害防御関連遺伝子上流の熱ショックエレメントに結合することによって局所的な病害抵抗性が発現することを明らかにした。この反応は紫外線照射では誘導されなかった。
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