研究実績の概要 |
まず,強い耐寒・強健性と多様な葉の変異を示すC. hederifoliumと芳香性・四季咲き性を示すC. purpurascensとの種間交雑を行い,交雑後の胚珠培養および胚珠培養時の倍加処理を試みた.なお,倍加処理には25 μM アミプロホスメチル (APM)を用いて4, 7, 14または21日間の処理を行った. その結果, 21日間処理以外の処理区で雑種個体が得られ, 複二倍体と考えられる個体が作出された処理区も認められた. 次に,強い耐寒・強健性を示すC. coumとC. mirabileの若葉が赤く色づく系統との間で交雑を行い,交雑7, 14, 21または28日後の果実を採取して, MS, 1/2N-MS, 1/4N-MSまたはB5培地を用いて胚珠培養を行った結果, 交雑14日後に果実を採取し, 1/4N-MS培地で培養した場合と交雑28日後に果実を採取してB5培地で培養した場合に小植物体の形成が認められた. また, 露地栽培に問題ない耐寒・強健性を示し,キキョウのような特徴ある開花形態を示すC. alpinumとC. mirabileとの交雑7, 14, 21および28日後に果実を採取して胚珠培養を行った結果, 交雑21日後に採取した外植体でのみ小植物体が形成された. さらに,園芸品種以外では認められないペオニジン配糖体を主要花色素とするC. persicum ‘ラルゴ’とC. hederifoliumとの種間交雑を行うとともに, 種間交雑後にAPMによる倍加処理を伴う胚珠培養を行い, 種間雑種およびその複二倍体の作出を試みた. その結果, いずれの交雑組み合わせにおいても小植物体の形成が認められた.
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