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2018 年度 実施状況報告書

ナデシコ属野生種の低温春化型開花機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07654
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

八木 雅史  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (40391403)

研究分担者 宇野 雄一  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90304120)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードナデシコ / バーナリゼーション / 春化 / 低温 / 連鎖地図 / マイクロアレイ
研究実績の概要

冬季の低温のように植物の生存に不利な環境下での開花を抑制するシステムである低温春化型の開花は、園芸植物の栽培化の過程で失われた形質の一つである。本課題ではカーネーションに近縁のナデシコ属野生種に存在する低温春化型の開花制御機構を解明するために、詳細連鎖地図を活用したマップベースクローニング法ならびに網羅的発現解析を行い原因遺伝子を明らかにする。
本年度は、開花に低温を要するDianthus capitatusと低温要求性のない「カーネアイノウ1号」のF1集団65個体を用いてdd-RADseq解析を実施し、全長1405.7センチモルガン、1228個のRADマーカ-が17連鎖群で構成される連鎖地図を作成した。加温条件下での開花の有無および到花日数を形質データとして連鎖解析を実施したが、有意な連鎖マーカーは得られなかった。現在、これらのF1個体を自殖したF2種子を採種している。
低温要求性のないカーネーション「サマードレス」とD. capitatusを用いて、5℃の一定条件下で0、1、2、4週間栽培を行うことで低温処理したサンプルのマイクロアレイ解析を実施した結果、D. capitatusにおいてのみ低温処理期間に応じて発現量が低下し、開花抑制に関わるFlowering locus C(FLC)遺伝子と相同性が高い遺伝子を明らかにした。今後、この遺伝子を中心に、各系統間におけるゲノム構造の解析および発現比較試験を実施し、原因遺伝子を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カーネーションとD. capitatusのF1集団では、開花に対する低温要求性について明確な分離が認められなかったことから、F2に世代を進めて形質の分離を確認することにしたため、マップベースクローニングの解析が予定より遅れる。

今後の研究の推進方策

カーネーションとD. capitatusに由来するF2集団の加温条件下での開花の有無について調査を進め、連鎖解析を実施する。また、D. capitatusの遺伝子配列がカーネーションのリファレンスゲノム配列と大きく異なることから、D. capitatusの全ゲノム情報を取得し、候補遺伝子の配列比較およびクローニングを効率化する。

次年度使用額が生じた理由

野生種のゲノム配列が栽培種と大きく異なることが明らかになり、遺伝子のクローニングおよび配列比較を効率的に進めるため、次年度予算と合わせて野生種の全ゲノム配列を取得することにしたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] カーネーションの開花期に関するQTL解析2018

    • 著者名/発表者名
      八木雅史・白澤健太・平川英樹・磯部祥子・松野純子・棚瀬幸司・小野崎隆・山口博康
    • 学会等名
      園芸学会平成30年度秋季大会

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公開日: 2019-12-27  

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