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2019 年度 実績報告書

キクにおける集合花の分化および花器官の多様性付与に関わる転写因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K07657
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

佐々木 克友  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (60469830)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードキク / 転写因子 / 花器官 / キメラリプレッサー / 花
研究実績の概要

キクにおける集合花の分化および花器官の多様性付与に関わる転写因子の解析を目的として、キクのABC遺伝子の内、クラスAおよびクラスC転写因子ついて重点的に解析を行った。クラスA転写因子については、35Sプロモーターを用いたAP2-SRDX(キメラリプレッサー)組換え体では、花弁や花全体のサイズが小さくなる形態変化が見られたが、mAP2-ox組換え体では形態変化が見られなかった。クラスC転写因子については、2種類のキククラスC遺伝子(タイプ1およびタイプ2)に関して35Sプロモーターを用いた組換え体では顕著な形態的な変化が得られなかった。一方、キク由来の花器官特異的プロモーターを用いた2種類のキメラリプレッサーを同時にキクに導入した結果、部分的な生殖器官の形態変化、舌状花弁の開烈、花弁の矮小化、頭花における舌状花や管状花のバランスの変化、など複数の形態変化が観察された。この中で、舌状花の雌蕊および管状花の雄蕊および雌蕊のすべての生殖器官が花弁様化した完全に八重化した個体が得られた。得られた花弁化雄蕊および雌蕊について遺伝子発現解析を行った結果、全ての花弁化雄蕊および雌蕊に関して内在のクラスC遺伝子2種類の発現が見られなかった。また電子顕微鏡を用いて細胞の形状を観察した結果、舌状花の雌蕊および管状花の雄蕊および雌蕊の全ての花弁雄蕊および雌蕊について、花弁と同様の細胞が観察された。これらの結果から、キク由来の花器官特異的プロモーターを用いた2種類のキメラリプレッサーを同時にキクに導入することで雄蕊雌蕊を花弁化することが可能であることが明らかになった。本研究により、クラスAおよびC遺伝子のキメラリプレッサーを導入することで、キクの花器官の形質を変化させ、多様性を付与させることが可能であることが示された。

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公開日: 2021-01-27  

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